みなさまこんにちは、今日も一日お疲れさまです!
管理職になって部下を持つようになると、部下の評価も大事な仕事の一つになってきますよね。
でも評価って難しくないですか…?
評価のやり方を手取り足取り教えてもらうこともない(少なくとも私の会社は)ので、自分で意識的に取り組んで評価スキルを上げる必要があると感じています。
そこで今日は、評価をする際、どんな点に注意が必要でどのように取り組めば良いかをお話ししたいと思います!
- 初めて部下の評価をすることになった
- 正しいことを評価ができているかわからない
- どんなことに注意すればいいか知りたい
心得ておくべき大前提
人事評価には複数の方法があるので、どの方法を採用しているかにより人事評価制度の透明性も異なります。
ただ、どんな方法であっても、人事評価はその後の給与や昇降格を決定するものであり、部下のモチベーションに影響することは常に心に留めておく必要があります。
人は頑張りを正当に評価されない環境におかれると、途端にやる気を失ってしまいますよね。
せっかくの有望な人材を枯らしてしまうことのないよう、業績や頑張りを正当に評価し、部下の意欲を高めることは、上司の大切な仕事といえるでしょう。
評価に対する不満が、上司や会社への不信感につながることもあります。
部下が納得できるように、公平性・透明性・信頼性を高める努力をする
人事評価って何のためにするの?
人事評価の役割
- 人材管理
- 人材育成
人材管理
どの人をどの部署のどのポジションに配置するか、どのような給与で働いてもらうかなど、組織の構成を決める材料が人事評価にはつまっています。
人事評価によって個人の特性を正しく把握できると、適材適所な人員配置が行えます。
人材育成
部下の能力を理解し、会社の方向に沿った目標を立てて業務をサポートして、育てていくことも大切な仕事です。
その結果、主体的に業務に取り組み、さらに能力をのばそうとする姿勢を生み出すことができます。
個人の力が強くなれば、組織としてのパフォーマンスが向上します。
正しい評価により、組織もパワーアップし、個人が活き活きと効率的に仕事を行うことが可能になります!
最近の評価制度:3つの事例
近年では、コンピテンシー評価やMBO、360度評価といった制度を導入する会社が増えてきているようです。
いずれも、年功序列や成果主義のメリットやデメリットを踏まえ、より公平で従業員個人と会社全体の双方に利益がもたらされるような形態を目指しています。
コンピテンシー評価
職務を効果的に遂行するために必要とされるスキル・行動などを指す「コンピテンシー」(行動特性)を基準とした評価方法です。
観察および測定可能であることが前提となっていて、職務ごとに求められるコンピテンシーを分析・抽出します。
そして、各従業員がこのコンピテンシーに沿った行動をし、どれくらいの業績をあげているかで評価を行うものです。
MBO
「Management by objectives」の略語で、「目標管理制度」とも呼ばれます。
経営学の神様と呼ばれるピーター・ドラッカー によって提唱された と言われています。
あらかじめ目標を設定し、半年や1年に1回、達成状況をチェックし、目標を達成していれば評価され、未達であれば評価されないというシンプルな方法です。
360度評価
上司が部下を評価するという一方向的な評価方法だけでなく、部下が上司を評価したり同僚同士で評価し合ったり、さまざまな関係性で多面的に評価を行う方法です。
より公平な評価方法として、日本でも導入する企業が増えてきています。
私はこの評価制度で初めて上司を評価した時、匿名とはいえドキドキしながら行いましたよ!
適正な評価のために何に注意したらいいの?
人が人を評価する場合、完全に公正な評価をすることは難しいでしょう。
それは、評価者個人の意識に影響されるからです。どうしても評価者の「先入観・偏見」=バイアスにより、評価が左右されてしまうことは避けられません。
評価の重要なポイントとなる「公平」「納得」「適正」な評価を実現するには、このバイアスをできる限り防ぐ必要があります。
自分の判断には偏りがあることを知る
心理学では、バイアスをいくつかのパターンに分類して定義づけています。
認知バイアス
思い込みや先入観によって判断に差が生じること
確証バイアス
認知バイアスの一種。確証バイアスが働くと、自分自身に都合の良い情報だけを集めたり、切り取ったりしてしまう
後知恵バイアス
発生した物事を、「事前に予測可能だった」と考えること
バイアスが働くことで評価にエラーが発生する
評価者にバイアスが働くと評価において以下のようなエラーが発生します。
評価のエラー
- ハロー効果
- 寛大化傾向
- 厳格化傾向
- 中心化傾向
- 対比誤差
ハロー効果
- 特定の優れた点(劣った点)があると他も優れている(劣っている)と評価すること
ハローとは、後光のことです。光のまばゆさに目がくらみ、判断を誤るというわけです。
これは、際立った特徴というバイアスをかけて全体項目を評価し、実際の人物を正しく捉えていない状態です。
- 評価が全体的に甘くなること
寛大化傾向は、評価者の性格が「優しくていい人」のケースでよく発生します。性格的に厳しい評価をつけられないのです。
(例)「低い評価をして、恨まれたくない、文句をいわれたくない、嫌な人だと思われたくない」など、防衛的な心理が働いている。
また、部下に比べて仕事の能力が劣っていると感じていて、「こんな自分が厳し評価はできない」と、甘い評価をつけがちになります。
厳格化傾向
- 評価が全体的に厳しくなること
寛大化傾向の反対です。評価者の性格が「厳しい人」のケースでよく発生します。
特に、評価者の能力が高く仕事に精通しているケースでは、「自分に比べて、劣っている」と感じられるため、低い評価をつける傾向があります。
- 評価結果が中央に集まりやすくなること
担当の業務には詳しくないので、とりあえず無難な評価を行ったり、評価に自信がない場合に多くみられます。
また、周りと差をつけるのを嫌う方も無難な評価になりがちです。
- 評価者の能力や価値観と比較して過大・過小な評価をしてしまうこ
評価者が自分と比べて部下のほうが優れていると感じ、「自分を基準にして比較する」時に、対比誤差は生まれます。
バイアスを防ぐ方法で対処する
バイアスにより発生する評価のエラーに対応するには、2つの方法があります。
これらの方法を取り入れて、納得感のある公正な評価を目指しましょう!
評価者の変更:評価者を別の人にする
いつも同じ人から評価されるのではなく、全く違った人からの評価を受け、偏りを防ぎます。
実際に、私が評価される立場で振り返ってみると、今までと同じことをしていたのに、評価者が変わっただけで高評価になったことがあります。
これは「今までの評者者は私の業務に精通していた」、「新しい評価者は私の業務は経験が薄い分野だった」ことから、「厳格化傾向」「対比誤差」のエラーが発生していたと思っています。
複数による評価:上司や同僚、部下など多方面/複数の人による評価
360度評価を行うことで異なる視点で評価され、公正な評価となることが期待できます。
360度評価は、私の会社でも最近取り入られるようになりました。誰の立場から見るかによって評価は変わりますね。
同じ1人の人でも、周囲には様々人がいるわけで、それぞれ求められるものが違うからですね。